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冬休みは図書館で・・「インドクリスタル」

 

先日図書館で借りてきた本[インドクリスタル]篠田節子著

篠田さんの小説も興味ありますが、インドクリスタルと言う

題名に魅かれて、冬の図書館通い第1号の借り出し本です。

 

2012年か~2014年にかけて「小説 野生時代]に連載

2014年に単行本として発行された比較的新しい本の内容は

鉱物ビジネスの為インドとかかわりを持ったビジネスマンを通して

インドビジネスの難しさを体感しながら、インドの土俗の習慣や

グローバル経済を生きる今のインド世界とのギャップなど

一般的に言われているインドでの商取引の闇をこれでもかと

小説にまとめた感じなのですが・・・今も片田舎に残る

幼い女の子を生き神様として育て、初潮を迎えると家に帰す

惨酷な習慣で育てられた女の子が、その後どのように生きるのか

そのような習慣が生まれた環境や、教育の陰影にスポット当てた

解説書的な役割もある内容。

 

鉱山で求められたのは水晶で、今までと違うのは

水晶の利用価値が宝石ではなく、惑星探査機用の人工水晶となる

親種を求めるというもので、開発にしのぎを削る同業他社に

その存在を知られることなく、必要量を買い取るために苦戦する

ビジネスマンと使用目的を知らずとも、その貴重性を敏感に感じ

利権を離したくない地主、鉱石を掘る現場で生きる原住民たち。

 

原住民をサポートするNGOなど、利権問題を絡めた諸問題を

すべて詰め込んだ話となっているのですが、最後には

貧しい村が恩恵を得ると、そこにはテロリストなども入り込み

地主への復讐心をあおり、壊滅的な問題へと進んでいく結末。

 

始め細々と水晶を掘っていた原住民が、急かされるまま

今までの風習「神にお伺いを立て、短期的に細々掘る」と言う

大前提を、お金の力で脆くも崩してしまった結果

「神に背くと祟りで病気になったり事故で死ぬ」という言い伝えに背き

結果的にその言い伝えが真実であると気付くのですが

鉱山にはウランなどの放射性物質も一緒に眠っている為

大量に掘り出すと環境破壊で壊滅的な打撃があると言う・・

 

現代の環境問題までも関わり、人間の欲と無知を曝け出すもの。

 

それぞれの立場で、それぞれの言い訳があり

価値観の違い、地域性による感情の違い、不平等な環境

そして教育そのものが、徳であり邪である表裏一体のものと

世の中がテロなどの不穏な物が広がりつつある現代の問題点の

一部をあぶりだした様な話に、ついつい夜更けまで読み続けて

・・・ちょっと書き残してみました。

 

素敵な本との出会い

 

最近は老眼が進んで、スローペースでしか読書をしなくなり

積極的に本を買うことから遠ざかっています。

 

冬の間は主に図書館を利用して、文字の大きい単行本を借り

興味のある作家さんや、お勧めの新刊などを楽しみましたが

営業期間は図書館に立ち寄らないので、以前読んだ本の読み返し。

 

驚いた事に旅のエッセイは「これ読んだっけ?」と思うほど

新鮮だったりするのは時代の流れか、当時は知らなかった事も

今はTVの旅番組で見ていたり、政治的背景の見聞も一般的に

見聞きできるようになってきたからかな?と思うのですが

だてに歳はとらないようで、少しは理解できるようになったようです。

 

そんな中、立派な新刊本が送られてきて、新刊の醍醐味に触れました。

 

昨年も同じころ送られてきた本「壽屋コピーライター開高健」を読み

親の世代が活躍した昭和史を垣間見る気がいたしましたが

今回の本「佐治敬三と開高健 最強のふたり」は

更にお二人の個人的な生い立ちにまで深く切りこみ

丁度前回の本で疑問に感じた「サントリー会長親子の姓が違う」

その理由なども書かれていたり、昨年の朝ドラ「まっさん」での

日本のウィスキー誕生やら、ビール業界の進展など

コマーシャルを通じて、あ~あの頃の事なのかと納得する

エピソードなどがきめ細かに書かれていて

より深く昭和史を見る思いが致しました。

 

何となく、実業界の近寄りがたい会長と勝手にイメージしていた

佐治敬三氏の生い立ちから、苦労する一生をみると

大阪の商仲間に、昭和をリードしてきた実業家が多くいて

皆様のご苦労や仕事への情熱が伝わってきます。

 

そして漏れ聞く、作家開高健氏の私生活や病後の様子なども

今だから書けるのかと思うほどに詳しく語られています。

 

晩年励んでいた海外での取材番組は、亡くなった後の再放送や

取材時を振り返るドキュメンタリー番組などで見知っていましたが

より詳しい内容に当時の様子が窺えます。

 

この2冊の本は著者が違いますが、

昨年の「壽屋コピーライター開高健」坪松博之著(たる出版)

を読んだ後に今回の

「佐治敬三と開高健 最強のふたり」北康利著(講談社)を読むと

昭和のサラリーマンや実業家の生き様が少し分かるような気がしますし

何より、戦後の苦しい時代からの立ち直りの歴史が伝わってきて

私が子供時代を過ごした昭和30年代から40年代の高度成長期までを

振り返り、意識する事のなかった時代の流れに感動いたしました。

 

たぶん既に読まれた方も多いと思いますし、素人読者の感想文ですが

年をとったからこそ楽しめる読書もあるなと感じるこの頃、

スローライフを楽しむ今の時代が、長く続くと良いのですが・・

 

お勧めの本「死の淵を見た男・・・原発の500日」

いよいよ2月も残り少なくなり、暫く降雪もお休み中!

いくら積雪があっても、降雪がないだけで随分春らしく感じます。

 

そして黄砂の飛来も告げられ、積雪の色も薄茶色くなり始めると

曇天の空を背景に、やはり魅力減少してしまいます。

 

自然災害が多くなった近年、次々とあれから〇年と振り返り

更に「巨大地震、噴火に備える」特集番組も多く

日本中で驚愕の事態を引き起こした3.11も間もなく。

 

あれほどの被害をもたらす津波災害を、知った瞬間ですが

既に4年が過ぎ、記憶にない子供もいるようになり

月日の速さを実感します。

 

そんな中、先日図書館で出会った本(ノンフィクション)

「死の淵を見た男・吉田昌朗と福島第一原発の500日」門田隆将

 

原発事故の復旧に携わった多くの人々に取材し、当時の様子を

伝えているのですが、冒頭の「はじめに」から抜粋すると

「何があったかを知っていただきたい。・・・

本書は吉田昌朗という男のもと、最後まで諦めることなく

使命感と郷土愛に貫かれて、壮絶な闘いを展開した

人たちの物語である・・・」とあり

原発の是非を問うものではなく、ただ何が起き

現場が何を思い、どう闘ったか、その事実だけを描きたいと思う。

 

著者の強い思いは、当時流れた現場から撤退などのデマにより

多くの人々が振り回され、本当の事が伝わることなく

現場から一時も離れることなく、闘い続けた人々がいたことを

どうしても届けたかったのではと伝わってきます。

 

昨年には再現ドラマとしてTVで放映していたのを

見ていましたが、本として読むとその過激な任務が

本当に伝わり、とりあえず現在暮らしていられる日本が

あるのも、その苦労の結果であると感じます。

 

あの爆発事故の中で、二人の作業員の方が亡くなり

その実態は騒ぎの中に埋もれていましたが

地震直後、自家発電に切り替わった様子をチェックに行き

1号機の格納庫の地下部分で津波に襲われた21歳、他一人の

若き職員がいた事を知りました。

 

その後の格納庫爆発で、彼らを探すことも出来ず

その間には、ネットで「現場から逃げた」という噂が流れ

そのデマにのってコメントする人までが現れると言う

悲惨な状況の中、気持ちを落ち着けるために始めた

母親の千羽鶴に、青年の母校「むつ工業高校」の仲間が

一緒に祈りを込めて折り続けた千羽ヅルが7,000羽になった時

ようやく現場の水が引き、彼らを発見することが出来たとの事。

 

立て続く水蒸気爆発に、当時の管総理が現場に乗り込んで

騒ぎとなったことも、それぞれの立場から聞き取りをし

結局は、通信手段の寸断で情報が入らず

東京電力本社も、政府も、伝言ゲームの様な情報に

振り回され、パニックに陥ってしまったようですが

唯一落ち着いて、何が出来るかを考え続けた

現場のプロ集団によって、ギリギリ持ちこたえたのが

今の状況のようです。

 

本来であれば、それ以前に、危機管理をしているべきだったと

言うべきでしょうが、現場にはその権限がなく

彼らにとっては、現在の状態が出来得る最善だっと思います。

 

同時に福島第2原発がどのようにして危機を乗り切ったかも

TVで見ていましたが、どちらの場合も

現場は、命がけで闘い続けてくれたことが伝わり

原発の是非は別にして、現場で働いた人々に

心より感謝するばかりです。

 

ぜひ一読して、その時何が起きていたのか

完全ではなくとも、知るきっかけになるとお勧めします。

 

と予約投稿で書き終えた後、ニュースで原発の汚染水が漏れ

漁業者に隠されていたとの報道が流れています。

結局、現場では一生懸命廃炉に向けて作業していても

経営陣の営利主義が変わらない限り、安全対策が遅れ

より一層現場にしわ寄せが行っているような気がします。

 

そして何より、国の方針が原発再稼働に向かっている事!

いまだに制御できず、汚染水を増やし続けている原発を

廃炉の方策もないままに、再稼働しようとするのはなぜなのか?

疑問に思う人も多いと思うのですが・・??

 

 

 

小説よりも厳しい現実・・

昨日の寒波も落ち着いてきましたが、北海道は異例の大雪とか

極寒の北海道では、サラサラ雪であまり積もらないと認識して

いましたが、雪雲が強風に飛ばされ、山越えして集中的に

降ったらしいと聞きましたが、一晩明けると玄関が埋もれて

窓から外に出ての除雪作業とは、本当に大変ですね。

 

明日は立春となりますが、まだまだ油断できません。

当地でも昨日は冷え込みが強く、車道は圧雪道となり

久し振りに、ガタガタしていましたが、今日は降雪も少なく

峠を越したように感じられます。

既に、家の周りの積雪も2mを越えたようで、木々も埋もれて

いますが、ちょっと暖気が来れば、萎むはずです・・

 

2015年2月2日の積雪

2015年2月2日の積雪

2月2日の積雪

2月2日の積雪

2月2日の積雪

 

ところで、1月は図書館利用で真保裕一氏の「外交官シリーズ」を

3冊読んでいたのですが、3冊目の読書中に今回のテロ報道が流れ

最近の世界情勢は、小説を越えるほどの動きを感じられます。

 

まさに想像以上の事が次々起きる時代で、自然環境も変化し続け

地球サイクルからくる地震や火山噴火と、TVを見るだけでも

人間の力の及ばない被害が予想されているようです。

 

そう言えば、小説の合間に読んだ城山三郎著の

「指揮官たちの特攻」では、戦中に起きた東南海地震が

国民に隠されたことや、特攻隊戦士が無駄だと感じながらも

命令に従うしかなく死に向かったこと、最後は特攻の効果もない

戦闘機不足の中、若者を大量に志願兵と称し集め、そして

死ぬためだけの兵士として利用したことなど、一部指揮官の

思惑だけで、国民の命と生活を見捨てた時代があったのだと

その理不尽さを今更ながら感じていました。

義父も私の父も昭和3年生まれで、ともに予科練志願兵

ぎりぎり終戦を迎え、私達世代に子孫を繋いでいますが

間に合わなかった人々もたくさんいるのです。

 

父が志願した理由も、中学時代各学校に人数割り当てがあり

特に父は兄が体が弱く参戦していなかった為、家を代表して

志願する必要があったと聞いています。

誰も望んで志願した訳でなく、時代から逃れられない

それが戦争なのですね。

 

テロに倒れた後藤さんの生前レポートを見ていると

内戦に苦しむ市民は、皆普通に青春を楽しみたいと思い

家族と平和に暮らしたいと望んでいるので、巻き込まれる

戦を一日も早く終わらせたいと言っていましたが

弱肉強食の生き方が好きな一部の暴力的思想者に翻弄される

戦争! テロと戦争は違うと言う意見もあるのですが

巻き込まれる市民にとっては、どちらも同じ苦しみ。

殺し合う時代が早く終わる事を願うばかりです。

 

 

変わりゆく本のあり方

今週末にはまた寒気が来るとの予報ですが、まだ雨なので

さほど寒い事もなく、夫は昨日に続いて銀山へ除雪作業に。

まだ銀山平の除雪が行われているので、車で移動が出来

昨日は本館を終え、今日はログハウスの周りを飛ばしてきたとか。

 

今年の冬は暖冬予報でしたし、今日の新聞でもエルニーニョ現象は

6月から始まっていて、海水温が高いと書かれていました。

でも海水温が高いからこそ、フィリッピンの巨大台風や

偏西風の蛇行が起きて、そこへ北からの寒気が入り込み

大雪に繋がっているというのですから、困ったものです!

 

ところで、今日は「Fishing Cafe」と言う釣り雑誌のご紹介。

最近は釣り雑誌の数も激減しているようですが

こちらの雑誌は、今までの様な釣り場案内的な雑誌ではなく

「カフェに集って釣り談義を楽しむ」と言った雰囲気のようです。

 

今回は[winter 2015 vol.49] という事で、次号は4月とあるので

季刊誌なのかもしれませんが、夏の終わりに取材に来ていて

その雑誌が今日届いたので、ザット拝見させて頂いたところ。

 

今回は「釣と文学」特集で、銀山平に来たのも

開高健氏の「フィッシュ・オン」を振り返るもの。

 

少し前までは、アウトドア全盛期で釣り人も大勢いましたが

近年はすっかり釣り人が激減し、特に若い方が増えていません。

 

登山の方も、平均年齢が上がるばかりだと言っていましたけれど

遠出して自然と向き合うには、安全に行動できるノウハウの

指導者が必用で、簡単に始められない環境になって来た上

指導書となる本も読まれなくなり、益々自然離れに拍車がかかる

悪循環のようですが、そんな読書離れの中で、かろうじて

団塊の世代が、リタイアした自由な時間を楽しんでいるようす。

 

特に日本でのルアー釣りの歴史は浅く、キャッチ&リリースを

広めたフィッシュ・オンは、少し前まで釣り人は当たり前に

知っていたのですが、最近は作家・開高健と言う人を知らない

又は、読んだことがない人の方が多くなってきているようで

芥川賞・直木賞をとる作家も毎年増え続けていくわけですから

全ての本を読む訳ではなく、読んでない本があって当たり前。

 

昨日のNHKクローズアップ現代で「本を読まない人が急増」

を取り上げていましたが、本を読まないから活字離れではなく

スマフォやPCの検索で、より多くの情報を得ているという話。

当然、ネット検索のスピードがアップし、どちらが良いと言う

話ではないのですが、大学院の論文無効騒ぎとなったような

人の論文をコピペして終わらせてしまう事も増えているという

問題点もあったりと、次世代に向けての本の役割が

変わりつつあるという事のようです。

 

あらあら、とりとめのない話になってしまいましたが

雑誌「fishing cafe」に戻すと、釣りと縁の深い作家が

ご自分の本や体験を振り返りながら、語って下さり

釣りをしない私でも楽しめる内容でありました。

発行元シマノという事で、BSTVやHPとコラボしていて

雑誌広告が全くないのも、今までの雑誌との違いが伺えます。